自衛隊明記だけの改憲は困難、ならばどうするか
東洋学園大学名誉教授 元陸上幕僚長
冨澤 暉 氏

一 昨年の自民党総裁選で明らかになったこと 昨年9月21日の自民党総裁選で安倍晋三氏が当選した。当時、その勝利の原因をマスコミは色々に評していたが、議論が大きく分かれるような困難な問題は先送りして、ゆっくりと事を進めていこうとする安倍氏の手堅さを自民党員たちが買った、ということなのだろう。 実は自民党員ではない私自身も、その安倍総理の安定性、特にこの大激動の世界情勢の中で、諸外国との外交について長期政権維持者としてそれなりの実績を挙げていることについて高く評価しており、国民の多くも「これからの3年間を任せられるのは安倍さんしかいない」と考えての結果だったのだろうと納得したものだった。 無論、ト

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東アジア情勢と日本の課題
東洋学園大学客員教授 元航空支援集団司令官
織田 邦男 氏

ただ今ご紹介をいただきました織田です。今日は「東アジア情勢と日本の課題」というテーマでお話しさせていただきます。東アジア情勢というと、中国と朝鮮半島が主要な話題になりますが、中国については今、90日間の「米中貿易戦争の中休み」ですので、主として朝鮮半島についてお話ししたいと思います。 日本の安全保障環境について見てみますと、日本の周りには2つの共産党独裁国家があります。ロシアはプーチンが終身大統領としてとどまり続けるかも知れず、もはや民主主義国家とはいえない国だと思っています。このようにわが国とは体制が異なり、また核で武装している3つの国に囲まれ、しかも領土係争を抱えている状況を見て、ヨーロッ

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[第10回国防講座(完)]
本講座のまとめ~国防は国民の責任~
冨澤 暉 氏(東洋学園大学名誉教授 元陸上幕僚長)

人は一般に、他人から支配されることを好まず、独立(自立)して自由に発展することを望んでいます。しかし、そういう人ばかりが集まり競争社会をつくると、必ず争いが起きて互いに不幸なことになります。そこで人々はそのかたちづくる社会に、適切な秩序(法律、規則、道徳など)をつくり、その範囲内で争いの少ない平和な生活を営もうと努力してきたといえます。 この秩序を支えるものとして、社会構成員を納得させる「秩序の論理と権威」と社会構成員に「秩序を強制する力」の二つが必要になります。 「秩序の論理と権威」には、各社会(国家)の歴史・文化(宗教を含む)に根ざしたものがあり、一般に西欧発の形式をとりながらも、各地方・

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